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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
良性腫瘍・その他[2] 子宮脱用リングペッサリー抜去が困難であった症例
上田 万莉, 間瀬 徳光, 難波 直子, 岩見 菜々子, 竹内 沢子, 疋田 裕美, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 森田 豊, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
高齢化社会に伴い子宮脱に遭遇する機会が増え,リングペッサリーを使用する症例も多くなっている.今回我々は子宮脱用マイヤー式ペッサリーが腟壁に埋没し,外来で抜去困難であった症例を経験したので,報告する.症例:61歳,3回経産.子宮脱のため,数年前に近医にてペッサリーを挿入された.抜去再挿入のため当科紹介受診.ペッサリーが腟壁と軽度癒着をしていたが,用手的に剥離し,ペッサリーを再挿入した.その後,定期検診をしていたが,異常はなかった.半年のインタバールをおいて,外来受診し交換しようとしたところ,ペッサリーは後腟壁内に牛の鼻輪状に約1/2が埋没されていたが,回転可能であった.抜去が困難であった.インフォームとコンセントを得て,肋骨剪刀を用いて,ペッサリーを2箇所切断し,静かに回転して,抜去し得た.接触性潰瘍を認めたが,直腸腟瘻は認めなかった.また腟入口は萎縮狭窄がなく,本人の希望もあり,術後白色のウォーレス式のリングペッサリーを容易に挿入し得た.現在,定期的に外来検診をしている.ペッサリー療法は簡便で,有用な治療法であるが,挿入後腟炎発生,潰瘍形成,腟壁への埋没嵌頓がありうることを念頭のおき,定期的に外来follow upが必要であり,また抜去困難の場合には,肋骨剪刀の使用が有効と思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
135-135, 2008
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