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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
血栓塞栓症
卵巣癌によりTrousseau症候群を呈した一例


曽根 君恵, 椙田 賢司, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科


 悪性腫瘍と凝固異常については,悪性腫瘍患者の90%以上に何らかの凝固異常が指摘され,臨床的にDIC状態を呈する以前にすでに血管内で異常がおきていると考えられている.最初に脳梗塞を発症し著明な血液凝固異常を認め,全身精査を施行して悪性腫瘍が認められる症例をTrousseau症候群という.今回,卵巣癌によりTrousseau症候群を呈した症例を経験した.症例は67歳,4経妊2経産,閉経55歳.原因不明の脳梗塞で前医入院し抗凝固療法により状態は安定したが,9×12cmの骨盤内腫瘍を認めた.腫瘍に伴う非感染性の血栓塞栓症が脳梗塞の原因と考え,14病日目に当科紹介入院した.入院時神経学的には,左同名性暗点,右半側視空間失認と軽度歩行障害を認めた.骨盤MRIで腹水と腹膜播種像を認めたため,診断も兼ねて腹腔穿刺術を施行した.血性腹水であり,細胞診検査でclassV,卵巣癌III期と診断した.抗凝固療法のコントロールが良好であったため腫瘍切除を予定したが,入院36日目に下肢深部静脈血栓症を発症し,下大静脈フィルターを挿入し血栓溶解療法を施行した.予定手術直前の入院51日目に下肢深部静脈血栓症を再発し,入院54日目に再び脳梗塞を発症したため,手術は断念した.その後全身状態は緩やかに悪化し入院64日目に永眠された.原因不明の脳梗塞症例において診断されるTrousseau症候群は,管理が困難で予後も悪く厳重な全身管理を行う必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 136-136, 2008


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