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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
産科出血I 子宮下部後壁の瘢痕部無症候性不完全破裂を呈した頸部筋腫核出後妊娠の一例
岩崎 奈央, 桑原 慶充, 稲川 智子, 峯 克也, 里見 操緒, 山田 隆, 市川 雅男, 三浦 敦, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学付属病院産婦人科
緒言)子宮破裂は子宮筋腫核出術後の妊娠において,最も留意すべき合併症の一つである.今回我々は,early thired trimesterに子宮下部後壁の無症候性不完全破裂を呈した子宮頸部筋腫核出後妊娠の一例を経験したので報告する.症例)不妊症および子宮頚部筋腫にて当科紹介受診.H19年3月,腹腔鏡補助下に子宮頸部後壁,広間膜下の9cm大の頚部筋腫を核出.その際に頚部穿孔が生じ,吸収糸による3層の縫合修復を行った.4ヵ月後,自然妊娠に至り,当科外来にてフォローアップ.妊娠30週1日,経膣超音波上,子宮下部後壁の著明な菲薄化(1.3mm以下)を認め,瘢痕部不完全子宮破裂が疑われた.妊娠31週0日,予定帝王切開術を施行.術中所見にて子宮下部後壁は漿膜一枚を残し,筋層の完全断裂が確認された.周術期は格変なく経過し退院.一ヶ月健診にて,経腟超音波上,子宮下部筋層の断裂像を認めた.出生児は1466g男児で,周産期センターに新生児搬送となり現在発育経過は良好である.結論)筋腫核出後妊娠は,妊娠時期,瘢痕部位など,臨床背景に応じて個別化した慎重な対応が必要であることを再認識した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
138-138, 2008
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