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<< 学会誌へ戻る 【はじめに】子宮破裂は大量出血を呈し，妊産婦死亡の原因となりうる疾患である．今回選択的動脈塞栓術を併用し，子宮温存が可能となった症例を報告する．【症例】33歳2経妊2経産既往歴は特になし．妊娠経過は異常なく，妊娠39週6日陣発入院．同日22時46分2704g男児を経腟分娩．分娩直前に児心音の低下が持続し，クリステレル用手加圧，吸引にて娩出．Apgar score1分値2点，5分値9点であった．分娩4時間後に突然血圧低下し，Hb5.8g/dlと貧血を認めた．腹腔内出血疑われ当院に搬送となった．来院時意識清明，血圧120/60mmHg腹部膨隆認め，腹痛を訴えていた．検査所見（Hb4.1g/dl Plt9.5万/ml APTT 71sec PT 43.6sec FDP13.0μg/ml）も腹腔内出血に一致するのであった．CT上，子宮破裂の診断にて緊急開腹術を施行した．《手術所見》腹腔内は血液が多量に貯留，広範囲にたる後腹膜血腫，子宮体下部左側筋層に約3cmの縦裂傷，左側広間膜後葉裂傷，子宮動脈上行枝からの出血を認めた．裂傷部分を縫合したが止血せず，血管造影施行．左内腸骨動脈，右子宮動脈塞栓術行い止血する事ができた．術中総出血量1190ml，輸血総量RCC10単位，FFP4単位，PC20単位であった．術後経過は良好にて術後9日目に退院となった．【結語】過去に当科て経験した止血困難で子宮摘出を行った子宮破裂の症例と比較すると，本症例は出血量は少なく，経過も良好であった．産科出血に対する選択的動脈塞栓術の止血率は高く，その状況に応じ利点，欠点を考慮したうえでの選択が必要と思われる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 139-139, 2008 |
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