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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
双胎・胎盤異常
出生前にはTTTSの所見をみとめなかったが,出生後著明なHb差をみとめたMDtwinの1例


松村 聡子1), 服部 政博1), 根本 泰子1), 緒方 大輔2), 広川 秀明2), 臼倉 幸宏3), 山口 解冬3)
静岡赤十字病院産婦人科1), 静岡赤十字病院小児科2), 静岡県立こども病院3)


 TTTSは一絨毛膜双胎に10〜15%の頻度で発症する.我々は妊娠末期まで2児間に体重差,羊水量の差がなく,NSTにも異常がなかったにもかかわらず,分娩後著明なHb差をみとめた一絨毛膜二羊膜性双胎の1例を経験したのでここに報告する.症例は37歳2経妊0経産.他院にてICSI後の凍結胚移殖後妊娠成立.妊娠12週時当院に紹介受診,一絨毛膜二羊膜性双胎,ともにCRL5.8cm(13w0d相当).2週間毎の検診を行なった.妊娠19週より流産予防のため塩酸リドトリン開始.妊娠25週1日出血,腹緊をみとめ入院加療となった.入院後,週1回の超音波検査と1日2回のNST施行し,妊娠管理とした.胎児発育に特に異常をみとめず,TTTSの所見もみとめなかった.35週より腹緊の増強にて硫酸マグネシウム併用とした.36週1日の超音波にて第1子2198g(−1.42SD),第2子2433g(−1.21SD)とdicordancyはなく,羊水量も正常でともに心拡大もみとめなかった.36週5日帝王切開施行とした.分娩直前までNSTに異常はなかった.第1子骨盤位,2432g,Ap8/8,第2子頭位,2556g,Ap4/5.第2子は全身蒼白で気管内挿管され,Hb4.5と著明な貧血をみとめたためNICU併設病院へ搬送された.第1子はHb21.5であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 146-146, 2008


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