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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
双胎・胎盤異常 胎盤血管腫によりIUGR,羊水過少,胎児貧血を認めた一例
八木 瑞穂1), 小川 幸1), 長野 研二1), 榎本 紀美子1), 元木 葉子1), 鈴木 靖子1), 佐藤 綾1), 三原 卓志1), 田野島 美城1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)
30歳2G1P(正常産1回)既往歴,合併症に特記事項なし.自然妊娠で初期よりA産婦人科通院.19週より超音波上胎盤腫瘤を認め,徐々に増大.また胎盤全体もやや腫大傾向にあった.26週2日B総合病院紹介時,腫瘤は37×60mm大.血管腫が疑われ26週6日C医療センター紹介.IUGR,羊水過少も認め入院.超音波上EFBW729g(−2.2SD),AFI4.9cm,児に明らかなanomalyなし.MCA-PSV:33.5cm/s.著しく腫大し不均一な胎盤を認め,胎児面に8×3.7cm大のlow echoic massを認めた.NST上late decelerationを頻回に認めたがNICU満床のため27週2日当院へ母体搬送となり,同日緊急帝王切開術を施行した.母体は術後経過良好にて術後6日目に退院となった.児は700g女児,Apg1/4.著明な貧血を認め(Hb2.6g/dl,Hct8.7%)生後2時間で部分交換輸血を施行.(施行後Hb14.3g/dl,Hct40.4%)以後全身状態は徐々に改善し,修正39週現在,1564g,慢性肺疾患を認めるが経口哺乳可能,全身状態は良好である.胎盤は総重量1200g,著しい絨毛の増成を認め,組織学的には中間絨毛が主体で未発達な血管と水腫変性を認めた.また腫瘤部分は大部分壊死に陥り,残存部に小血管の増殖を認め,血管腫と診断された.術当日の母体血中に胎児性ヘモグロビンを認め,腫瘍を介しての胎児母体間輸血症候群と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
147-147, 2008
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