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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
双胎・胎盤異常 Breus'moleの2症例
長橋 ことみ1), 横山 普子1), 河村 隆一1), 西口 富三1), 宇津 正二2), 根本 泰子3), 金森 隆志4), 茂庭 將彦4)
静岡県立こども病院周産期センター1), 聖隷三方原病院産婦人科2), 静岡赤十字病院産婦人科3), 榛原総合病院産婦人科4)
Breus’moleは絨毛膜板直下にできる巨大血腫であり,その発生率は0.05〜0.15%とされている.今回,子宮内胎児発育遅延を合併したBreus’moleを2例経験したので報告する.【症例1】32歳初産婦.妊娠24週の時点で子宮内胎児発育制約(以下IUGR)と胎盤肥厚を指摘され当院に紹介となった.超音波断層法で重症IUGRと胎盤表面の血腫像を認め,前医入院の上,共同管理とした.その後,希望により他院に転院となり妊娠32週発育停止,高血圧の悪化のため帝王切開分娩となっている.【症例2】34歳初産婦.妊娠21週の時点で近医にて胎盤異常とIUGRを指摘され,精査目的で当院に紹介となった(妊娠21週4日).超音波断層法で推定体重235gと重度のIUGRを認め,8cm大の胎盤腫瘤(血腫像)を認め,臍帯動脈血流の途絶所見も認めた.妊娠22週0日,自然破水し,2日後に死産となった.胎盤の病理所見は絨毛膜下の血腫形成,絨毛膜・絨毛の変性壊死を伴うBreus’moleであった.Breus’moleはIUGR,羊水過少,子宮内胎児死亡の合併頻度が高く,厳密な管理を要する疾患である.文献的考察を含めて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
148-148, 2008
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