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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
胎児異常 胎児診断された先天性頭蓋内奇形腫の2症例
横山 普子, 長橋 ことみ, 河村 隆一, 西口 富三
静岡県立こども病院周産期センター
先天性脳腫瘍は,出生100万に対し0.34例,小児脳腫瘍の0.5〜1.5%と極めてまれなものである.今回,胎児期に診断された先天性頭蓋内奇形腫を2例経験したので報告する.【症例1】25歳1経妊1経産婦.妊娠26週,通院中の助産院にて胎児頭部の異常を指摘され,前医総合病院に紹介.胎児水頭症疑いで当院に紹介となった.超音波断層法ではBPDが130mm超と著明な頭部拡大がみられ,MRI所見と合わせて胎児脳腫瘍(奇形腫疑い),それにともなう水頭症と診断.妊娠28週3日,帝王切開により分娩となった.【症例2】29歳1経妊1経産婦.妊娠31週の時点で水頭症を指摘されたが,前医で経過観察されていた.妊娠35週,水頭症の増悪のため当院に紹介.超音波断層法とMRIより胎児脳腫瘍(奇形腫疑い),それにともなう水頭症と診断.頭囲拡大は進行性であり,妊娠36週5日,帝王切開にて分娩となった.児は3516g,頭囲43.7cm,男児,Aps8-9.出生後のCTより,手術適応は無いと判断され,現在経過観察中である.奇形腫は,先天性脳腫瘍のなかでは最も頻度が高いとされており,いずれも診断時の腫瘍のサイズが巨大である事が多く,病理学的悪性度にかかわらず予後不良とされる.胎児期に診断された先天性頭蓋内奇形腫について,文献的考察を含めて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
148-148, 2008
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