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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
胎児異常 胎児心内膜線維弾性症の一症例
朝田 嘉一1), 伊東 敬之2), 深田 幸仁2), 星 和彦3)
独立行政法人国立病院機構甲府病院産婦人科1), 山梨県立中央病院産婦人科2), 山梨大学産婦人科3)
【緒言】心内膜線維弾性症は心内膜下に弾性線維の著明な増生がみられる心筋疾患であり,胎児期に心内膜線維弾性症を発症した場合には予後不良な疾患である.今回われわれは胎児水腫から子宮内胎児死亡に至った一症例を経験したので報告する.【症例】母は31歳3経産2経妊1自然流産.妊娠40週で第1子(男児)を経腟分娩.その後の妊娠は,妊娠23週で非免疫性胎児水腫,子宮内胎児死亡.近医にて今回,妊婦健診を受けていたが妊娠21週で胎児水腫が認められたため当科紹介受診となった.超音波断層検査にて心拡大および心筋層が高輝度に描出されVSD,肺動脈狭窄を合併し,胎児心内膜線維弾性症が強く疑われた.informed consentのうえ自然経過観察した.妊娠26週4日に子宮内胎児死亡きたしたため妊娠27週1日に720gの男児を死産分娩した.絨毛染色体検査所見は46XY,病理解剖所見は心内膜線維弾性症で,VSD,大動脈縮窄を合併していた.【考察】心内膜線維弾性症は新生児期,乳児期に心不全を契機に診断されることが多く,予後は不良である.家族内発生の報告があるが,遺伝形式,責任遺伝子については詳細不明である.次回妊娠においては十分なカウンセリングの後に行うことが望ましいと考える.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
150-150, 2008
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