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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
胎児異常
胎内治療したサイトメガロウイルス感染症妊婦の一例


吉永 洋輔, 松田 秀雄, 大西 きぐな, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


 サイトメガロウイルス(CMV)は胎児に先天異常を生じうる代表的なウイルスである.胎内感染は初感染および再活性化のいずれでも生じうるが母体CMV感染症の5〜10%のみに症候性胎児が発生し,新生児予後は不良である.今回我々は,初期に脳神経奇形を疑われ,その後超音波所見によりCMV感染を疑い,血液・羊水検査で感染を確認,胎内治療を行った1例を報告する.症例は35歳女性,1経妊1経産,妊娠24週でDandy-Walker奇形を疑われ(島根),セカンドオピニオン目的で別の医院(大阪)を受診.その際IUGR,胎児脳室拡大,軽度の肝腫大,少量の腹水が認められた.母体CMV-IgM陽性・羊水CMV-DNA陽性であり,先天性CMV感染を疑い当科紹介受診し,説明と選択の後同意の上精査加療目的で入院.羊水採取,胎児腹腔内免疫グロブリン投与,臍帯穿刺を行った.羊水,臍帯血ともにCMV-DNAが検出され,胎内感染が確認された.胎児ヘマトクリット34.6%,血小板値1.9万/μlと貧血,血小板減少を認めた.合計3回の胎内治療を行ったがCMV-DNA量の減少認めず,胎児肝機能の悪化を認め,34週で帝王切開術施行.児は2100gの男児 apgar score9/10(1/5min).出生直後の血小板数は7万/μlと増加を認めた.今回CMV胎内感染に対し免疫グロブリン投与を行ったが,羊水,胎児血ともCMV-DNA量の低下は認められなかった.頭部,腹部所見に乏しかったが,胎児血小板数は著明に減少していた.脳室拡大,腹水貯留がほとんどない症例でも,CMV胎内感染により重症化している症例が存在する可能性がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 151-151, 2008


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