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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍[1]
急激に進行した悪性転化を伴う卵巣成熟嚢胞性奇形腫の1例


佐藤 茂1), 菊池 公孝1), 渡辺 未央1), 信田 政子1), 村上 優1), 宮本 壮2), 杉原 義信3), 石黒 葉子4), 篠塚 孝男4), 井面 昭文5), 三上 幹男5)
東海大学大磯病院産婦人科1), 藤沢総合健診センター産婦人科2), クリニック杉原産婦人科3), 綾瀬厚生病院産婦人科4), 東海大学医学部産婦人科5)


 卵巣成熟嚢胞奇形腫は卵巣腫瘍の約20%を占めており,日常よく遭遇する良性腫瘍であるが,一方で稀に悪性転化をする例がある.その頻度は1〜2%であり,術前診断において鑑別するのに非常に困難であり,また上皮性卵巣癌と比較しても極めて予後不良で,いまだ有効な治療法が確立されていない.そこで今回,我々は術後に急速に進行しまた治療に苦慮した悪性転化を伴う卵巣成熟嚢胞性奇形腫の1例を経験したので報告する.(症例)53歳3経妊3経産,2007年10月に腹痛,発熱にて近医受診にて卵巣腫瘍を指摘.同年11月下旬に当院に紹介初診となる.以後精査,加療目的にて入院しMRI検査上15cm大の成熟嚢胞性奇形腫が疑われたが腫瘍マーカーでSCC:5,0ng/ml,上昇を認めていたため,悪性転化を考慮し手術を予定していた.しかし精査中に急激な下腹部痛が出現し筋性防御も認め,卵巣腫瘍破裂と診断し緊急手術となる.手術式は腹式拡大子宮全摘出術,両側付属器切除術,骨盤内,傍大動脈リンパ節郭清および大網切除,低位前方切除術施行.術後病理診断にて,直腸浸潤,リンパ節転移認め卵巣成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化,IIIc期であった.2008年1月上旬に不明熱が持続のためCT検査を施行したところ,肝臓表面に播種像,脾臓転移,リンパ節転移を示す所見を認めた.そのため直腸吻合部の状態が改善したため1月中旬には化学療法(weekly TC 60mg/m2,AUC 2)を開始し3クール施行もCT検査上肝,脾,リンパ節増大し胃粘膜まで腫瘤が浸潤,圧追していた.術後2カ月で術前に認めていなかった肝,脾臓,リンパ節に転移し急激な病状の進行を認めた1例であった.III,IV期の進行癌は特にその対応が今後問われると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 153-153, 2008


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