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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍[1]
急性腹症で発症した卵巣未熟奇形腫の1例


山下 恵理子, 小野 修一, 朝倉 禎史, 平泉 良枝, 五十嵐 健治, 渡辺 美千明, 黒瀬 圭輔, 鴨井 青龍, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


 未熟奇形腫は卵巣奇形腫の約3%,悪性胚細胞腫瘍の約20%を占め,発生年齢は10〜33歳(平均24歳)で,約80%は卵巣に限局する.今回,激烈な下腹痛を主訴に受診し,卵巣腫瘍茎捻転を疑い緊急手術施行し,術中迅速診断で未熟奇形腫と診断された症例を経験したため報告する.症例は19歳未経妊未経産女性.一ヶ月前より下腹部膨満感,数日前より下腹痛,発熱認め近医受診,下腹部腫瘤を指摘され当科紹介となった.来院時下腹痛激烈であり,血液検査では白血球12890/μl,血色素10.8g/dl,血小板44.2×104/μl,CRP11.5mg/dl.またMRIでは16cmの多房性嚢胞性腫瘤に一部脂肪成分を含む充実性構造を認めた.以上より悪性奇形腫の茎捻転を疑い緊急手術を施行した.術中迅速病理診断にて未熟奇形腫が示唆され,腹水細胞診陽性.右付属器摘出施行した.来院時の腫瘍マーカーはLDH362U/l,CEA8.4ng/ml,AFP2896ng/ml,CA125190U/ml,SCC19.3ng/ml,NSE45.5ng/ml,HCGβサブユニット<0.1ng/mlであった.術後4週間の腫瘍マーカーはLDH154U/l,CEA2.5ng/ml,AFP84.3ng/ml,CA12515.2U/ml,SCC1.2ng/ml,NSE14.6ng/ml,HCGβサブユニット<0.1ng/mlと低下を認めた.術後病理診断にて未熟奇形腫G2との診断で,捻転に伴う循環障害の所見は軽度であった.今後化学療法(BEP療法)施行予定である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 154-154, 2008


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