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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍[2]
Clomiphene長期投与中に発生した卵巣・子宮内膜重複癌の1例


高木 靖, 青木 朝子, 橘 理絵, 井田 耕一, 窪田 文香
諏訪赤十字病院産婦人科


 今回,clomipheneの長期投与中にOHSSと鑑別を要した卵巣癌が発生し,それと同一組織型であるが,転移ではない同時性重複癌と考えられる子宮内膜癌も認めた症例を経験した.症例は30歳の未経妊で家族歴・既往歴に特記事項なく,初経は14歳であった.現病歴は平成11年から前医にて,続発性無月経の診断でクロミフェンを投与されていた.平成18年6月にOHSSを疑われ当院に紹介された.超音波検査で両側卵巣腫大(右9cm左7cm)を認め,MRIで多嚢胞性腫瘍が疑われた.また,子宮体部細胞診はclass3で,腫瘍マーカーCA125は43.9U/mlと上昇を認めた.子宮内膜組織検査を行ったところEndometrioid adenocarcinoma(G1)であったため,妊孕能温存を断念し,開腹手術施行した.卵巣腫瘍の術中迅速病理診断も子宮と同一組織型であったため,子宮・両側附属器・結腸間膜腫瘍等切除した.本症例ではUlbright and Ross.の提唱した子宮体癌の卵巣転移判定基準や,Warren and Gatesの重複癌の診断基準により,卵巣癌2a期・子宮体癌1b期と診断した.術後化学療法としてTC/DC therapyを6コース施行し,現在(術後1年6月)再発を認めていない.病巣が原発か転移かの鑑別は,分子生物学的手法を用いても難しい場合があるとされている.また,重複癌発生の背景として有名なSecondary mullerian systemがあるが,最近の文献ではclomipheneによる卵巣癌や子宮内膜癌の発生は否定的である.しかし,長期投与のリスクを指摘する報告もあり,12サイクル以下が望ましいという勧告もある.clomiphene治療が長期間に及ぶ場合,卵巣腫瘍の発生に対して十分注意する必要があると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 154-154, 2008


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