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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍・その他
外陰部,膣,子宮頸部と広範囲に病変を認めた乳頭状扁平上皮癌の一例


大澤 淑子, 玉田 裕, 高橋 香織, 長島 隆, 原 唯純, 佐藤 博久
国家公務員共済組合連合会立川病院産婦人科


 手術による摘出が困難と考えられた乳頭状扁平上皮癌に対し,nedaplatinを用いたところ病巣の縮小効果がみられた症例を経験したので報告する.患者は78歳,3経妊3経産.平成19年8月他院にて外陰部Paget病が疑われたため,当院皮膚科精査目的入院となった.子宮頸部はコルポ診上NCFであったが,細胞診上,扁平上皮癌疑いであった.なお患者に対し,病変部の写真撮影を行って経過をみる旨,承諾を得ている.本症例は当初皮膚科サイドにて疣状癌との診断であった.疣状癌は放射線抵抗性であるばかりでなく,照射するとanaplastic transformationをおこすため,放射線療法は禁忌とされている.そこで扁平上皮癌に有効とされるnedaplatin 80mg/m2投与したところ著明に腫瘍縮小効果がみられた.血小板減少(grade4)がみられたため,血小板輸血を必要とし,2コース目と3コース目はnedapoatinを70mg/m2に減量したが,3コース目に好中球減少(grade4)もきたしたため,4コース目は60mg/m2とし,計4コース実施した.腫瘍マーカーSCCは治療前12ng/mlであったが,2コース目以降は正常化した.乳頭状扁平上皮癌に対し,放射線療法とともにnedaplatin投与も有効な選択肢の1つと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 157-157, 2008


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