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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍・その他 後腹膜原発平滑筋肉腫の一例
齋藤 麻由美1), 矢野 ともね1), 石田 洋昭1), 安田 豊1), 高島 明子1), 川島 秀明1), 深谷 暁1), 木下 俊彦1), 蛭田 啓之2), 亀田 典章2)
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科1), 東邦大学医療センター佐倉病院病理2)
後腹膜原発平滑筋肉腫は比較的稀な疾患で,局所再発および転移により一般に予後不良とされているが,近年,腫瘍の完全切除により予後の改善が報告されている.今回我々は,術前に子宮筋腫と診断され,手術・術後病理検査にて後腹膜腔原発平滑筋肉腫と診断した1症例を経験したので報告する.症例は59歳,3経妊3経産,閉経53歳.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.1年前より排尿時痛が出現し様子をみていたが,症状増悪のため近医泌尿器科を受診し抗菌薬内服治療するが症状改善せず.近医婦人科にて約7cm大の子宮筋腫を指摘され,当院へ紹介となった.診察および超音波検査にて子宮膀胱間に約8cm大の筋腫様腫瘤を認めた.MRI検査では子宮頚部右側に径10cm大の境界明瞭・内部不均一な腫瘤を認めた.血液検査上は有意に上昇する腫瘍マーカーは認めなかった.画像診断上,悪性疾患も否定できず,治療および確定診断のため手術を施行した.術中所見:約10cm大の腫瘍は子宮と隣接して右後腹膜腔より腟壁方向に発育していたが子宮との連続性は認めなかった.腹式単純子宮全摘術を施行後,右後腹膜腫瘍摘出術を施行した.後腹膜腫瘍は病理組織学検査にて平滑筋肉腫とみなされ,一部に腫瘍の露出を認めたが完全摘出し得たと判断し,術後補助療法は施行せず現在外来経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
157-157, 2008
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