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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍・その他 小腸原発の転移性卵巣腫瘍の一例
島貫 洋太, 輿石 太郎, 幡 亮人, 三橋 直樹, 鈴木 千賀子, 五十嵐 優子, 名倉 麻子, 田中 里美
順天堂大学医学部附属静岡病院産婦人科
(緒言)小腸癌は非常に稀であり,症状がない場合は診断が困難な疾患である.今回われわれは診断が困難であった,小腸原発の転移性卵巣腫瘍を経験したので報告する.(症例)50歳.下腹部膨満感が出現したため当科を初診となった.内診および超音波検査で12cm大の骨盤内腫瘍を認めた.血液検査ではCEA;10,CA19-9;42と高値であった.また,骨盤MRIでは,多房性で一部充実性部分が存在する両側卵巣腫瘍を認めた.以上より転移性卵巣腫瘍を疑い上部消化管内視鏡,注腸造影およびマンモグラフィーを施行したが,いずれの検査でも悪性腫瘍は指摘されなかった.そのため,卵巣原発の悪性腫瘍を疑い開腹手術を施行した.術中迅速病理組織検査で卵巣腫瘍は腺癌の診断となった.腹式単純子宮全摘出術,両側付属器切除術,骨盤リンパ節郭清術,大網部分切除術を施行した.術後病理検査では,子宮とリンパ節には癌組織は認められず,両側卵巣に腸上皮型の管状腺癌が認められたため転移性卵巣癌の診断となった.原発巣検索のため下部消化管の内視鏡,頚部CT,MRCP,小腸造影を施行したが,原発巣を特定することはできなかった.PET-CTを施行したところ小腸癌が疑われた.そのため当院外科で小腸ファイバー施行し小腸癌(空腸)の診断となり小腸部分切除術を施行した.現在TS-1を内服し,外来管理中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
158-158, 2008
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