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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
子宮頸癌 early stageで発見された子宮頸部小細胞癌の2例
渡邉 善, 川名 敬, 塚崎 雄大, 荷見 よう子, 織田 克利, 中川 俊介, 八杉 利治, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学産婦人科
【目的】子宮頸部小細胞癌は稀であるとともに非常に予後不良な疾患である.この度early stageで発見された2例を体験したので文献的考察を加え報告する.【症例1】34歳,1回経妊0回経産.妊婦スクリーニングでの子宮頸部細胞診でclass5,組織診にてSmall cell carcinomaであった.MRI上16mm×13mmの腫瘤を子宮腟部に認めた.術前診断は子宮頸癌1b1期と診断し広汎子宮全摘術を施行した.手術検体病理診断はSmall cell carcinoma(pT1b1N0M0)であり,患者家族と相談の上,術後後療法として,EtoposideとCisplatinの二剤併用化学療法(以下EP療法)を5コース施行した.有害事象強く5コースで終了した.現在まで14ヶ月の無病生存を得ている.【症例2】60歳,4回経妊2回経産.主訴は不正性器出血.子宮頸部細胞診にてclass5,組織診にてPoorly differentiated carcinoma with small cell carcinoma componentであった.MRI上径2.5cmの腫瘤を子宮腟部に認めた.術前診断は子宮頸癌1b1期と診断し広汎子宮全摘術を施行した.手術検体病理診断はCarcinoma with neuroendocrine differentiation(pT1b1N0M0)であり,術後後療法としてEP療法4コース施行した.有害事象強く4コースで終了した.現在まで7ヶ月の無病生存を得ている.【結語】子宮頸部小細胞癌は稀であるために治療法は確立していない.術後補助療法の選択は患者とよく相談の上行われるべきと考えられる.一般に予後不良な疾患であるが,early stageでは生存例の報告も多くみられる.本2例では広汎子宮全摘術に加えて,過去の報告からkey drugと考えられたEPを行い良好な経過を得ている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
158-158, 2008
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