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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
子宮頸癌
若年子宮頸癌患者における卵巣機能温存を目的とした卵巣移動固定術の有用性に関する検討


吉田 彩子, 鈴木 直, 細沼 信示, 嶋田 彩子, 渡邊 弓花, 吉岡 範人, 井埜 まり絵, 大原 樹, 奥田 順子, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


 【目的】本邦における子宮頸癌の罹患数は減少しているが,近年特に30歳未満の年齢調整罹患率が増加していることから,若年女性に対する広汎子宮全摘術に伴う卵巣摘出や術後の放射線治療による卵巣機能の廃絶が深刻な問題となっている.子宮頸癌治療ガイドラインによると,卵巣温存は卵巣転移の危険因子を考慮した上で扁平上皮癌症例に限るとしており,その際には術後の放射線被爆を避けるため照射野外に卵巣を移動固定する必要がある.しかし,本術式を施行しても放射線治療によって22-88%の症例が卵巣機能不全に陥るという報告がある.本研究では当院において経験した子宮頸癌患者における卵巣移動固定術後のQOL維持に関する検討を目的とした.【方法】2004年1月から2007年12月までに,当院で卵巣移動固定術を施行した子宮頸癌9例(平均年齢30.4歳)を対象とした.治療の内訳は,NAC施行症例が5例,術後のCCRTが6例,放射線治療が2例,化学治療1例であった.治療後,定期的にホルモン採血(E2,FSH)を行い,Kupperman指数やSDSを用いた更年期症状に関するアンケート調査を施行した.【結果】ホルモン採血の結果,9例中3例で卵巣機能の維持が確認され,ホルモン値は低値であるものの周期的なホルモン分泌が4例で確認された.一方,2例で卵巣機能の廃絶が確認された.また,アンケート調査の結果,卵巣機能の状態によって更年期症状や抑うつ症状の出現が確認された.【まとめ】若年子宮頸癌患者に対する卵巣移動固定術は,治療後の女性としてのQOL維持に有用であると考えられた.しかし,卵巣機能不全となる症例も少なくないことから,症例毎の身体的・精神的な経過観察が肝要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 160-160, 2008


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