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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥I
腎癌合併妊娠の1例


上田 恭子, 鈴木 真, 林 宜嫺, 太田 創, 秋本 菜津子, 杉林 里佳, 古澤 嘉明, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科


 妊婦の高齢化に伴い悪性腫瘍合併例が増加しており,周産期管理に苦慮することがある.今回妊娠中期に血尿を主訴とした腎癌4期と診断された症例を経験した.妊娠中の腎癌合併症例は世界で約70-80症例が報告されているのみであり,文献的考察を含めて報告する.【症例】29歳.1経妊1経産.妊娠27週0日肉眼的血尿を認め前医受診.凝血塊により尿閉が生じ,膀胱留置カテーテル挿入となる.血尿精査目的に帰省分娩予定であった当院へ紹介・搬送となる.膀胱鏡では膀胱粘膜に明らかな異常は認めず,両側尿管口からの明らかな血尿はなく,尿細胞診クラス1であった.経腹超音波検査にて左腎臓腫大を認めたため,腎臓の器質的疾患を疑い施行したMRIでは,左腎門から下部腎臓に腫瘍が認められ,さらに,腫瘍は腎静脈内を拡張・伸展し,先端が下大静脈に突出していた.また,遠隔転移を精査したところ左鎖骨上リンパ節転移・上縦隔リンパ節転移・肝転移が認められ,腎癌4期(T3N2M1)と診断した.泌尿器科と協議の上,腎腫瘍の根治性はなく手術適応はないと判断し,腫瘍進展と児成熟を考慮して32週で分娩とし,その後化学療法による治療を開始する方針とし,妊娠32週2日帝王切開施行.児は1678g Apger Score8/9点でNICU管理となり,経過は順調であった.母体の術後経過も良好であり,腎癌に対する治療を開始している.【結語】悪性腫瘍合併例では診断された時点での,妊娠週数,胎児発育,悪性腫瘍の病期と疾患の根治性,予後などを考慮して妊娠継続の可否,分娩時期について検討することが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 162-162, 2008


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