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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥II
再発HELLP症候群(recurrent HELLP syndrome)の一例


真田 道夫, 飯塚 美徳, 楯 健司, 松本 玲子
千葉市立海浜病院産婦人科


 HELLP症候群は溶血(Hemolysis),肝酵素の上昇(Elevated Liver enzymes),血小板減少(Low Platelets)などを特徴とする予後不良な疾患として知られている.全分娩に対するHELLP症候群の発症率は0.17-0.85%であり,Sibai等はHELLP症候群の再発率は3%であると報告している.今回我々は,第一子分娩後にHELLP症候群を発症し,次回妊娠時に妊娠35週でHELLP症候群を再発した症例を経験したので報告する.(BR)【症例】31歳,1経妊1経産.第一子は平成18年5月(妊娠29週2日),妊娠高血圧症候群で血圧コントロール不良のため前医にて帝王切開術により1256gの男児を分娩.産褥3日目にHELLP症候群を発症した.その後,平成18年9月を最終月経として第二子を妊娠,妊娠9週時にHELLP症候群既往のため当院へ紹介受診となった.自宅での血圧測定を指示し,当科にて妊婦健診を継続,妊娠26週より塩酸ヒドララジン内服にて血圧のコントロールを行った.妊娠35週2日に血圧153/112mmHgと上昇を認め,尿蛋白3+のため同日入院とした.入院後,降圧薬を増量するも血圧コントロール不良,著明な全身倦怠感,心窩部痛を訴えた.その後,嘔吐を繰り返し,採血にて血小板減少,肝機能の増悪を認めたため,35週3日に緊急帝王切開術を施行した.出生児は1998g,男児,Aps7/9,臍帯動脈pHは7.07であった.血小板減少,ミオグロビン尿,破砕赤血球像を認めたため,術後メチル酸ナファモスタット,デキサメサゾンを使用するも,産褥1日目に母体の血小板は1.6万/まで低下し,血小板輸血を実施した.その後状態は落ち着き,術後8日目に退院となった.文献的考察を加えて発表する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 164-164, 2008


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