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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥V,その他
ダグラス窩腸ガーゼ充填法の帝切時出血に対する有効性の検討


松本 由佳, 梁 善光, 五十嵐 敏雄, 上里 忠和, 矢部 慎一郎, 中川 圭介, 落合 尚美
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科


 【目的】帝王切開時大量出血の有効な予防法はあまり知られていない.我々は帝王切開時,胎児/胎盤を娩出後,腸ガーゼをダグラス窩に充填することで子宮体部下節を挙上圧迫すると同時に子宮動脈も機械的に圧迫して大量出血の予防法になるのでは?と考え,その効果を検討した.【方法】(1)2005-2007年に当院で帝王切開を施行した210症例に関して,胎児胎盤を娩出後,ダグラス窩に腸ガーゼを充填した場合(充填群)としなかった場合(非充填群)の出血量/手術時間に関して後方視的に検討した.(2)2008年の当院帝王切開施行例の内,同意が得られた10例に関して腸ガーゼ充填法の前後に超音波で子宮動脈血管抵抗を測定した.【成績】(1)帝切時の出血量と手術時間の平均値はガーゼ充填群(N=47)972ml,79分,非充填群(N=162)1131ml,83分で,充填法の有無で統計学的に違いはなかったが(P=0.199,0.430,Student t),2000ml以上の大量出血例と120分以上の長時間手術例はそれぞれ,充填群が3例と1例に対して非充填群が18例と20例であった.(2)腸ガーゼ充填法の前後で子宮動脈RIが上昇する例が多かった(7/10例,P=0.057,Paired t-test).【結論】充填法の有無で出血量に差はないが,大量出血例は少なくなる傾向があり,充填法は大量出血予防法として意味があると考えられた.充填法により子宮動脈血管抵抗が上がる例が多く,子宮動脈の機械的圧迫または子宮体部下節の背側からの圧迫で末梢の血管抵抗が上昇して出血量減少につながったと考えられた.ダグラス窩充填法は体腔外法の改良型で子宮下節が挙上されて修復操作が容易となり,出血も少なく,大量出血が予想される例に有効かもしれない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 168-168, 2008


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