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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))
【一般演題】
良性腫瘍・その他[1] Benign multicystic peritoneal mesotheliomaの一例
錦見 恭子, 大見 健二, 西脇 哲二, 岩崎 秀昭
千葉市立青葉病院産婦人科
Benign multicystic peritoneal mesotheliomaは大変まれな良性腫瘍であり,日本での報告は少ない.今回我々は,急激に増大したbenign multicystic peritoneal mesotheliomaの一例を経験したので報告する.【症例】44歳.2経妊1経産.既往歴:特記事項なし.前医にて婦人科検診を受診した際,経膣超音波で54×39mmの多房性嚢胞を認め,卵巣腫瘍が疑われた.1ヶ月後再検したところ65×55mmと増大傾向を認めたため,当科紹介受診となった.前医最終受診日より5日後の当科の診察では94×62mmと急速に増大していた.当科初診日から7日後のMRI検査では子宮周囲を埋め尽くすように境界不明瞭な隔壁を持つcystic lesionを認めた.卵巣腫瘍,腹膜偽粘液腫あるいはリンパ管腫等が疑われ,手術となった.血液検査所見:CA125:27.0U/ml,CA19-9:24.4U/ml.手術所見:子宮,両側卵巣卵管,虫垂は正常.腹腔内の壁側腹膜および大網に3mmから4cm大のcystが多発性にみられ,腹腔内を埋め尽くしていた.cystの内容液は無色透明漿液性であった.cystを腹膜から剥離して摘出,また大網部分切除を行い,完全に摘出した.病理所見:組織学的には,扁平あるいは立方状の異形の乏しい細胞が一列に配列していた.免疫組織化学染色ではEMA陽性,CK陽性,HBME-1陽性,Calretinin陽性であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2)
172-172, 2008
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