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<< 学会誌へ戻る 婦人科悪性腫瘍において，肉腫は明確な治療法が確立されておらず，予後不良である．中でも子宮内膜間質肉腫（endometrial stromal sarcoma：ESS）は症例数も少なく，ESSのみを対象とした臨床試験はほとんど行われていず，化学療法の選択が非常に困難である．今回我々は，TJ療法が奏効したESSを経験したので報告する．【症例】56歳．2G2P．不正性器出血を主訴に当科受診し，子宮内腔から筋腫分娩様に突出する腫瘤を認め，経腟超音波では子宮は小児頭大に腫大し，MRIでは子宮内腔に長径約20cmの鋳型状腫瘍があり，内部はT2強調像にて充実性，不均一な高信号を呈し，変性，壊死が疑われた．外来での腫瘤部生検では組織の壊死所見のみであった．腫瘍マーカーはCEA；3.8ng/ml，SCC；0.9ng/ml，CA-125；14.6U/ml，CA19-9；2以下，TPA；30以下，SLX；14.8U/mlで，LDHは287IU/Lであった．以上より子宮筋腫の変性あるいは子宮肉腫疑いの診断で子宮全摘術と両付属器摘出術を施行した．術中所見は癒着や腹水も認めず，洗浄腹水細胞診陰性，子宮頸部が腟管に突出しておりその境界は不明瞭であった．摘出子宮の肉眼所見は全体的に壊死が強く，HE染色では核異型と核分裂像を高頻度に認め，特殊染色ではα-SMA（−），cytokeratin（−），vimentin（＋）であった．以上よりESSと診断した．術後はMPAの内服により経過観察をしていたが，術後9ヵ月目に下腹部痛を訴え，LDH；425IU/Lと上昇し，CTにて腹部から骨盤内にかけて20cm大の腫瘤を認めたために再発と考え，monthly TJ療法3クール施行した．終了後のLDHは166IU/Lと低下を認め，CTでは腫瘤は40％の縮小を認め，治療効果判定PRと奏効した．現在，二次的手術を予定している． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 177-177, 2008 |
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