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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠
子宮外妊娠は左右どちらに多いか


雨宮 希, 笠井 剛, 深澤 宏子, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科


 【目的】子宮外妊娠の着床部位としては卵管膨大部が最も多く,次いで卵管峡部,卵管間質部,卵巣,腹膜,頚管の順で頻度が高いと報告されている.しかし子宮外妊娠着床部位の左右差については検討されることは少ない.今回我々は当院での子宮外妊娠症例において左右差を中心とした着床部位の検討を行った.【方法】1998年1月から2007年12月までの10年間に当院で経験した子宮外妊娠手術症例計195症例に対し着床部位の左右差について検討した.また子宮外妊娠のリスクファクターとされている子宮外妊娠既往,クラミジア感染等が着床部位の左右差に影響する因子となりうるかどうか検討を行った.【結果】子宮外妊娠手術症例計203症例から既に左右どちらかの卵管を切除している8症例を除く計195症例中,右付属器妊娠100例(51.3%:卵管妊娠97例,卵巣妊娠3例),左付属器妊娠90例(46.2%:卵管妊娠87例,卵巣妊娠3例),両側付属器妊娠1例(0.5%:両側卵管妊娠),その他4例(2.0%:頸管妊娠2例腹膜妊娠2例)であった.有意差は認められなかった(P=0.68:Fisher’s exact test)が,右側に多い傾向にあった.【検討】子宮外妊娠の着床部位の左右差に関しては,左右差がないという報告もあれば,虫垂炎が関与するため右側に多いとする報告もある.今回の検討では,子宮外妊娠の着床部位に左右差は認めず,また子宮外妊娠の一般的なリスクファクターのうち着床部位の左右差に影響を与えるものはみられなかった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 178-178, 2008


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