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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【シンポジウム】
新しい排卵誘発法
ARTにおけるGnRHアンタゴニストを併用する卵巣刺激法


吉田 淳
木場公園クリニック


 GnRHアンタゴニストは,GnRHアゴニストにみられるflare up現象がなく,強力かつ即時にゴナドトロピン分泌を抑制することができる.現在では,GnRHアンタゴニストを併用したプロトコールはARTの卵巣刺激法の大きな一つの柱となった.しかし,車にたとえるとGnRHアゴニストを用いたロング法がオートマチック車的であるのに対して,GnRHアンタゴニストを用いた卵巣刺激法はマニュアル車的で,GnRHアンタゴニストを使いこなすにはテクニックを要する.我々が実施している一般的なアンタゴニスト法を併用した卵巣刺激法について述べる.月経1から3日目に経膣超音波検査でantral follicle数と血中のFSH,LH,E2,PRL値を測定する.月経3日目から中容量ピルを7〜28日間使用する.ピルを使用する目的は,実際に卵巣刺激を行う周期の卵巣刺激前のantral follicleの大きさに差が少なくなるという利点があるためである.ピル終了後4日目に,経膣超音波検査でantral follicle数を再度調べ,血中のFSH,LH,E2,P値を測定し,卵巣刺激を開始する.LH値に応じて卵巣刺激に用いる排卵誘発剤の注射の種類を決める.LHが1.5mIU/ml以上の場合はフォリスチムを,LHが1.5mIU/ml未満の場合にはフォリスチム®とhMG注テイゾー®を使用する.前周期のantral follicle数と過去の卵巣刺激における卵巣の反応も考慮して排卵誘発剤の量は決定する.卵巣刺激4日目より経膣超音波検査と血中のLH,E2,Pを測定し,主席卵胞の平均径が14mmになったら排卵誘発剤の注射とともにGnRHアンタゴニスト(セトロタイド®0.25mg)と低用量hCG50単位を開始する.GnRHアンタゴニスト,低用量hCG50単位,排卵誘発剤の注射は夕方または夜に実施する.主席卵胞の平均径が20mmになったら,hCG1万単位に切り替える.hCG投与日に排卵誘発剤は使用するが,GnRHアンタゴニストは使用しない.GnRHアゴニストを使用するロング法からアンタゴニスト法に切り替えただけで妊娠する症例もあるため,ARTを実施する前にovarian reserveを十分に評価して,症例ごとに適した卵巣刺激法を選択することは,ARTの成績向上の点で非常に重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 214-214, 2008


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