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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【パネルディスカッション】
周産期医療の新たな構築を目指して
千葉県における母体搬送システムの構築―コーディネータとヘリコプター搬送の役割―


鈴木 真
亀田総合病院周産期母子医療センター


 周産期医療の窮地において,分娩を取り扱う施設が円滑かつ有機的に連携できるシステムの構築が必要で,キーワードは選択,集中,そして連携である.周産期医療に関わる医療機関の機能を明確にして役割分担を行い,必要に応じて円滑な連携体制を整えることが重要である.特に高度周産期医療を担う周産期母子医療センターがハイリスク症例を常に受け入れられるように,医療資源を集中させ,ローリスク症例が集中しないようにしなければならない.
千葉県に於いても多くの地域と同様に,母体搬送の受け入れが近隣で困難な状況が発生し問題化しており,母体搬送を円滑にできる限り医療圏内,隣接医療圏で受け入れられるような体制を構築することを試みた.まず,周産期診療の状況について調査を行い,それぞれの医療機関の診療体制を明確にした上で,総合周産期母子医療センター2施設,地域周産期センター3施設,地域周産期センタークラス病院10施設,合計15施設を母体搬送受け入れ機関とする「千葉県母体搬送ネットワーク(Chiba maternal transport system:C-MATS)」を立ち上げた.平成19年10月より二次医療圏内で発生した症例は,上記で設定した15病院が母体搬送の受け入れ一次医療機関となり,搬送受入れの連絡を受ける.もし受け入れが不可能な場合には,搬送元医療機関が総合周産期母子医療センターに連絡し,受け入れ依頼,受け入れ不可能な場合には受入先を照会し,搬送先を決定するシステムである.いままで搬送先が最後まで搬送先を探していたが,これにより搬送元医療機関の負担は軽減された.さらにこのシステムでは搬送先決定後に遠隔地への搬送や緊急を要する場合の搬送方法としてドクターヘリによる搬送を取り入れ,患者負担の軽減と救命性を向上にも配慮している.千葉県では平成18年22例,19年7例,20年7例(8月まで)がヘリ搬送されている.さらに本年6月からはいままで総合周産期母子医療センターが行っていた受け入れ不能時の搬送受け入れ先照会業務を千葉県周産期医療ネットワーク事業の中の「コーディネータ事業」として県の委託により開始している.本事業は6件/月程度であるが,医師の負担軽減となっている.千葉県における周産期医療ネットワークシステムが他地域の現状打破の参考になればと思う.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 218-218, 2008


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