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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【奨励賞候補演題1】
奨励賞候補演題1
当院における「妊娠と薬」に関する相談症例の検討


志村 玲奈1), 小松 あかね2), 豊田 真紀1), 竹島 絹子1), 中村 佳子1), 安部 加奈子1), 小倉 剛1), 小畠 真奈1), 藤木 豊1), 山田 直樹3), 濱田 洋実1), 吉川 裕之1)
筑波大学産婦人科1), 筑波記念病院婦人科2), 水戸済生会総合病院産婦人科3)


 【目的】当院における「妊娠と薬」に関する相談症例の解析から問題点を明らかにし,今後検討すべき課題を抽出する.
【方法】2000年1月〜2008年4月に「妊娠と薬」に関する相談目的に当院を受診した症例について,症例背景,服用薬剤とその理由,服用時期を診療録より後方視的に検討した.さらに当該薬剤の催奇形性および胎児毒性について,FDA(米国食品医薬品局)分類およびADEC(オーストラリア医薬品評価委員会)分類を用いて評価した.なお,患者名・相談年月日をはじめとした個人情報は収集しなかった.
【成績】同期間の症例数は100例(平均年齢29.5歳,うち妊娠女性が91例)で,1例平均3.9品目の薬剤についての相談であった.服用薬剤で最も多かったのは精神神経系に作用する薬剤(のべ83薬剤,26品目)で,その理由としては精神神経疾患が最多(26例)であった.68例が胎児奇形に関する絶対過敏期(妊娠4〜7週)に相談薬剤を服用していた.相談薬剤の48%がFDA分類に,53%がADEC分類に未収載であり,両分類ともに未収載の薬剤が41.6%あった.
【考察】わが国の「妊娠と薬」の情報源として使用される医薬品添付文書では,約25%の薬剤が妊娠女性禁忌,約70%の薬剤がいわゆる有益性投与となっているが,その根拠に乏しいものが多いという批判がある.そのため,FDA分類およびADEC分類を参考に「妊娠と薬」相談が行われることも多い.しかしながら,わが国でのみ発売されている薬剤など,両分類に未収載の薬剤が約40%存在することより,特にこれらの薬剤の安全性情報の収集とその医師・薬剤師への有効な提供手段の検討を,今後早急に進める必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 229-229, 2008


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