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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【奨励賞候補演題2】
奨励賞候補演題2 当院における子宮頸部液状処理細胞診に関する取り組み
田岡 英樹, 福田 麻実, 山本 泰弘, 浅川 恭行, 久布白 兼行
東邦大学医療センター大橋病院産婦人科
【目的】近年,わが国にでも子宮頸がん検診において,液状処理細胞診(Liquid-based cytology;以下LBC法と略)が導入されつつある.今回われわれはLBC法をConventional法(以下C法と略)と比較し,LBC法の標本作製法における留意点,細胞所見の特徴とともに,C法とLBC法の所見などについて検討を行ったので報告する.【方法】対象は,子宮頸部細胞診を施行する当院受診者のうち倫理委員会の承認のもとでインフォームドコンセントが得られた者とした.細胞診は同一症例についてブルームブラシを用いて擦過細胞診を施行し,C法を施行後,ブラシに残存する細胞でLBC法を行うスプリットサンプル法で行った.C法とLBC法の検体は染色後,別々に検鏡した.【結果】2007年12月から2008年6月の期間で,1099症例の検体が得られた.(1)LBC法の標本作製において,ブルームブラシに頸管粘液が多く付着している場合,検体処理過程で再操作を必要とする症例が7例みられた.(2)LBC法とC法の細胞所見を比較検討した300例について,上皮内病変の症例はLBC法で29症例,C法で20症例であった.LBC法で上皮内病変を認めたがC法では陰性であった症例は9症例であった.【結論】LBC法では標本作製過程において,頸管粘液に留意する必要があることが示唆された.また,LBC法はC法と比べ上皮内病変を検出することにおいて,ほぼ同等の感度が得られる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
230-230, 2008
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