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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【奨励賞候補演題2】
奨励賞候補演題2
不妊症例におけるインスリン抵抗性に関する検討


東梅 久子, 古賀 千悠, 竹林 明枝, 長谷川 亜希子, 須藤 なほみ, 高本 麻耶, 山口 隆, 古屋 智, 横尾 郁子, 北川 浩明
虎の門病院産婦人科


 【目的】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は,卵巣機能の異常のみならず代謝の異常と関連することが知られている.しかしPCOSと診断されなくとも代謝異常がある不妊症例が存在することから,これらとインスリン抵抗性との関連について検討した.【方法】当科の不妊外来を受診し不妊治療開始前の45例を対象とし,これらにおける経腟超音波検査による多嚢胞性卵巣所見の有無,月経異常の有無,不妊治療前の月経周期3〜5日目のホルモン基礎値,HOMA-IR値を測定しこれらの関連を検討した.【成績】1)不妊症45例のうちLH高値4例(9%),T高値7例(16%),LH高値かつT高値3例(7%),経腟超音波による多嚢胞性卵巣所見6例(13%),月経異常10例(22%)であり,日産婦の新診断基準でPCOSと診断されたのは5例(11%),Rotterdam診断基準でPCOSと診断されたのは7例(16%)であった.2)HOMA-IRは15例(33%)において高値であり,このうち日産婦の新診断基準でPCOSと診断された5例のうち2例(40%),Rotterdam診断基準でPCOSと診断された7例のうち4例(57%)がHOMA-IR高値であった.また,いずれの診断基準においてもPCOSと診断されなかった38例のうち9例(24%)がHOMA-IR高値であった.【結論】不妊症のPCOSにおいてHOMA-IR高値が高率である傾向がみられた.一方で,いずれの診断基準においてもPCOSと診断されない症例においても,HOMA-IR高値の例が存在することからその取り扱いも含めて今後の検討を要する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 233-233, 2008


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