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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
卵巣癌1 Sister Mary Joseph's noduleの一例
永田 育子, 寺本 勝寛, 佐々木 重胤, 白石 眞貴, 河野 恵子, 内田 雄三, 伊東 敬之, 永井 聖一郎, 池上 淳
山梨県立中央病院産婦人科
内臓悪性腫瘍の臍転移はSister Mary Joseph's noduleとして知られており,近年報告が散見されてきているが,原発は消化器系が最も多く,卵巣癌の臍転移の報告例は比較的少ない.今回我々は,卵巣明細胞腺癌の肺転移に対する治療中に出現したSister Mary Joseph's noduleの一症例を経験したので報告する.【症例】54歳4経妊2経産閉経:47歳平成14年2月に他院で卵巣明細胞腺癌IIIc期と診断をうけ手術後,当院での化学療法を希望し紹介となった.TC療法を6コース行い外来経過観察としていた.平成17年10月末より咳嗽出現しCT撮影したところ肺転移疑われ12月よりweeklyTP(TAX100mg CDDP35mg)10コース施行しCRとなった.平成18年5月より胸部不快感あり精査したところ再燃疑われ化学療法施行したがNCであった.12月より放射線治療へ変更し,総線量48Gyの照射後CTで病変の瘢痕化,またPETで集積を認めないため経過観察とした.平成20年2月のPETで再度肺転移巣への集積があり,治療を考慮していたところ臍部からの持続的な出血が認められた.生検施行したところ明細胞腺癌と診断.画像所見で臍周囲の皮下に2cmほどの結節を認めたため臍切除を施行した.最終病理診断も明細胞腺癌の転移であった.現在,肺転移巣に対して外科切除施行し化学療法を行っている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
237-237, 2008
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