|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
避妊・子宮奇形 当科におけるレボノルゲストレル放出子宮内避妊システムの使用経験
江夏 亜希子, 吉田 穂波, 金子 容子, 松田 美保, 玉田 さおり, 関根 さおり, 板津 寿美江, 対馬 ルリ子
ウイミンズ・ウェルネス銀座クリニック婦人科
【はじめに】レボノルゲストレル放出子宮内避妊システム(ミレーナ,以下IUS)は,プロゲスチンの子宮内局所持続投与による確実な避妊効果とともに,月経量の減少や月経痛の軽減という副効用が期待されている.2007年4月の発売以降の当院での使用経験について報告する.【患者背景】21歳から55歳(平均40.5歳)の60名(うち未経産婦8名)にIUSの効用・副効用などを説明の上,同意を得て使用した.使用目的は,避妊を挙げたのは30名(うち避妊が主目的19名)で,残りの30名は避妊希望はなく子宮筋腫・子宮内膜症17名,月経痛・過多月経5名,更年期障害(HRT中のMPA)6名など副効用を期待したものであった.IUS使用前に,低用量ピル16名(うち13名は副作用や合併症で継続困難),他のIUD7名(うち5名は過多月経),GnRHa9名などの治療を受けていたが,IUS挿入後これらの治療は不要となった.またIUS挿入時4名(いずれも未産婦)に頚管拡張操作を要した.【使用成績】ほとんど全例に不正出血の持続を認めたが,月経痛や過多月経は後述の2例を除き全例軽減した.2例に機能性卵巣のう胞を認めたが自然消失した.子宮筋腫合併で自然脱出した3例を含め5例が挿入1年以内に抜去となった.問題症例として超音波で子宮内腔の変形は認めないと判断した5cm大の子宮筋腫が,IUS挿入後に筋腫分娩となった例,挿入後半年で大量出血を生じ,精査にて子宮体癌と診断された例があった.【結語】IUSの使用により,低用量ピルと同様かそれ以上のQOLの改善が期待できるという手応えを感じている.今後,挿入前の内膜細胞診や子宮筋腫合併例にはMRIを必須とするなど適応を慎重にしつつ,普及に努めたい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
241-241, 2008
|