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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
避妊・子宮奇形 低用量ピル内服中に門脈血栓症を発症した1例
高尾 美穂, 鈴木 美智子, 松本 隆万, 平間 正規, 礒西 成治, 落合 和彦
東京慈恵会医科大学附属青戸病院産婦人科
低用量ピルは避妊目的以外にも子宮内膜症,月経困難症,月経前緊張症など,月経周期に関連した異常にも副効能が認められ,使用されている.今回我々は,低用量ピル内服中に門脈血栓を発症した症例を経験した.症例は25歳,154cm,55kg.他院にて低用量ピル内服を行っていた.投与開始1年後,上腹部痛を発症し門脈血栓症の診断で入院となった.PT90%,APTT37.0秒,Fbg495mg/dl,ATIII95%,D-D10.5ug/ml,プロテインC活性120%,プロテインS活性87%と凝固異常を認めず,原因は低用量ピルを疑い内服中止とした.ヘパリン治療を開始し,門脈血栓の縮小を認めた為ヘパリンを漸減し退院した.現在腹痛なく通院している.本症例は,低用量ピルが原因で門脈血栓症を発症したと考えられた.低用量ピルを使用の際,問診や凝固系機能のチェックは必須であるが,頭痛,腹痛などの症状発現時にも血栓症を鑑別に挙げる必要があると思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
241-241, 2008
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