|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
生殖内分泌・不妊1 個人産院における不妊相談室開設の試みと臨床的効果
郡山 純子, 山岡 由季, 郡山 智, 石塚 孝夫
医療法人石塚産婦人科
【目的】2007年6月より不妊症看護認定看護師による不妊相談室を開設した.2008年6月までの開設後12ヶ月間の状況について報告する.【方法】週3回17〜19時に個室での面接を行った.待合室に案内を配置し,来談は患者の自由とした.ただし医師が必要と認めた場合は面接を促した.2002年1月から2008年6月までに当院不妊外来を受診しインフォームドコンセントを得た不妊婦人のうち,不妊相談を受けたことのある53名(I群),不妊相談を受けたことのない200名(II群)を比較検討した.【結果】2群間の臨床的背景に差はなかった.1名あたりの面接回数は平均4.9回で,そのうち1回16/53(30.2%),2〜9回27/53(50.9%),10回以上10/53(18.9%)であった.面接参加者は本人のみ223/259(86.1%),夫婦26/259(10.0%),夫のみ8/259(3.1%),その他2/259(0.8%)であった.相談内容は夫のサポート不足とストレス感が多かった.治療を行ったI群58名(以下延べ人数)II群208名のうち,各々30名(51.7%),113名(54.3%)に妊娠が成立した.このうちタイミング療法による妊娠は10/42(23.8%),84/197(42.6%)とII群の妊娠率が有意に高かった.AIHによる妊娠は10/28(35.7%),21/64(32.8%),IVFによる妊娠は10/17(58.8%),8/12(66.7%)であり,2群間に差を認めなかった.【結論】不妊相談による妊娠率向上効果は認められなかった.今後は不妊相談の効果を評価するためにアンケートを行い検討していきたい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
244-244, 2008
|