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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
合併症妊娠1
妊娠29週時重症肺炎による急性呼吸不全,心不全に至り集学的治療を要した一例


杉林 里佳, 鈴木 真, 大垣 洋子, 上田 恭子, 林 宜嫺, 秋本 菜津子, 高橋 慎治, 古澤 嘉明, 大塚 伊佐夫, 己斐 秀樹, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科


 【緒言】妊娠中の肺炎罹患は母児の予後に影響を与え40%に早産を合併すると言われている.今回我々は妊娠29週で重症肺炎による急性呼吸不全,心不全に至ったが母児共に救命しえた症例を経験したので報告する.【症例】32歳,2回経妊,2回経産.他院にて妊婦健診を受診しており経過順調であった.妊娠29週4日嘔吐,呼吸苦が出現し近医内科を受診.38℃の発熱とSpO2の低下を認め呼吸障害の診断で当院救急外来へ搬送となった.来院時JCS1-3,ショック状態であり15L酸素投与下でSpO2 85%と低酸素血症を認めた.両側下肺野に湿性ラ音を聴取,胸部X線では両肺野に浸潤影を認め,心エコーではdiffuse hypokinesisを認め,肺炎による急性呼吸不全,左心不全と診断した.BIPAPを装着,カテコラミン投与を開始しCCUへ入室,抗生剤投与を開始した.母体頻脈や熱発の影響と考えられる胎児頻脈を認め,子宮収縮の増強,頸管長短縮を認めたが肺水腫も否定はできず子宮収縮抑制剤は使用せずに注意深く経過観察とした.胸部CT検査では肺門部を中心に分布する多発浸潤影を認め,うっ血またはカリニ肺炎やCMV肺炎などの特殊肺炎が疑われたがカリニ原虫,CMV共に陰性であった.パラインフルエンザ3型抗体の軽度上昇以外にウイルス抗体価の有意な上昇は認めなかったが,ウイルス性肺炎と考えられた.BIPAPにて呼吸状態は改善しカテコラミンも中止可能となり,入院5日目にBIPAPを離脱.母体状態改善後は胎児心拍モニタリングでreassuringであった.妊娠32週0日に退院,以後前医へ通院し妊娠42週0日で経腟分娩に至った.【結語】妊娠中は免疫能の低下により感染症の重症化の可能性や早産のリスクがあり慎重な管理が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 247-247, 2008


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