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<< 学会誌へ戻る 食道アカラシアとは「下部食道噴門部の弛緩不全による食物の通過障害や食道の異常拡張などがみられる機能的疾患」と定義されている．今回，妊娠を契機に発症した食道アカラシアに対し内視鏡下バルーン拡張術を施行し，良好な経過をたどった症例を経験したので報告する．【症例】28歳，未経妊，前医でIUGR，羊水過少の診断で入院中，NSTで変動一過性除脈を認め，妊娠29週2日に緊急母体搬送となる．超音波検査で胎児推定体重1139g，羊水ポケット28mm，NSTはreassuring fetal statusであった．1ヶ月ほど経口摂取不良が続いており，補液を施行した．その後も経口摂取がすすまないため，上部消化管内視鏡検査を施行，食道アカラシアの診断となった．内視鏡下バルーン拡張を施行，症状改善し一旦退院となった．バルーン拡張施行後3週間で再度食事摂取困難となり，外来で再拡張術を施行した．その後は食事摂取も問題なく経過し，妊娠38週1日，骨盤位の適応で選択的帝王切開術施行，2398gの女児，Apgar8/9，母児共に経過問題なく退院となった．【結語】妊娠中に消化器症状を呈する合併症の一つとして食道アカラシアがあり，母児の死亡例も報告されている．症状の改善傾向がなければ，上記疾患も念頭におき，精査をすすめるべきと考える． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 248-248, 2008 |
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