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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
合併症妊娠2
妊娠中に成人スティル病を発症し,治療が困難であった1例


梁井 葉子, 吉田 志朗, 竹村 由里, 兵藤 博信, 山下 隆博, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学医学部附属病院女性科産科


 【緒言】成人スティル病はリウマチ性疾患で,関節痛,発熱,皮膚発疹を三主徴とする.診断には悪性疾患や感染症,膠原病の除外診断が必要となり,確定診断に時間を要する.今回,我々は妊娠中に成人スティル病の診断に至り,治療に難渋した症例を経験したので報告する.【症例】39歳,0経妊0経産.妊娠6週で4週間続く弛張熱にて他院に入院し,精査行うも原因不明のまま一旦自然解熱したため退院.妊娠16週で症状が再燃,サーモンピンク疹の出現をみとめ,成人スティル病疑いにて当院紹介入院.当院でも成人スティル病の診断に至り,治療開始した.プレドニン30mg/日で開始し,60mg/日投与まで増量後パルス療法(120mg/日3日間投与)を2回行い,ようやく寛解といえる所見を得た.しかし,プレドニン減量を開始したところ,妊娠26週でスティル病症状が再燃した.このため妊娠終了と母体疾患の標準的治療への移行を考慮し,ベタメサゾン12mg/日2日間投与とステロイドパルスを行った.スティル病症状は著明な改善をみたが,薬剤性と思われる好中球減少,日和見感染の兆候であるβDグルカンの上昇傾向などあり,抗生剤及びプロトンポンプ阻害剤投与中止後の好中球上昇傾向を確認後,妊娠27週6日で全身麻酔下に帝王切開術施行した(974g男児Aps 1/5).分娩後,メソトレキセート投与開始し,スティル病は寛解を得た.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 249-249, 2008


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