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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
子宮外妊娠 帝王切開瘢痕部妊娠の一例
宮崎 薫, 高田 舞子, 末盛 友浩, 湯山 公美子, 須藤 慎介, 細川 和俊, 飯田 俊彦
済生会宇都宮病院産婦人科
今回我々は,帝王切開瘢痕部妊娠の一例を経験したので報告する.症例は30歳女性,3経妊2経産(自然流産1回,帝王切開2回).妊娠5週で妊娠の診断を行ったが,経腟超音波検査にて胎嚢は内子宮口近くに認められた.妊娠7週時に胎児心拍を認めず稽留流産と診断.当初待機的療法を選択し4週間保存的経過観察を行ったものの胎嚢の自然排出を認めなかったため,子宮内容除去術を施行した.1週間後の経腟超音波検査にて子宮右前壁に腫瘤を認め,MRIにて帝王切開瘢痕部妊娠の診断に至った.性器出血が持続しており,患者本人に妊孕性温存の希望がなかったため,単純子宮全摘術を施行した.摘出子宮には,帝王切開の創瘢痕に一致して血腫を認め,病理組織診断ではこの血腫の付着部位に壊死に陥った絨毛,脱落膜を認めた.帝王切開瘢痕部妊娠は極めて稀な疾患であるが,最近の帝王切開の増加に伴い,報告も散見される様になった.大量出血,子宮破裂などの合併症による母体死亡の可能性もあるため,既往帝王切開術後妊娠の場合には本疾患の可能性も念頭に置き,慎重に経過観察することが必要である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
255-255, 2008
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