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<< 学会誌へ戻る 【緒言】近年，一絨毛膜二羊膜性双胎（以下MD双胎）の合併症の一つとして，羊水量に差を認めずに胎児の貧血・多血を呈するtwin anemia-polycythemia sequenceという病態が報告されている．今回我々は羊水量に差を認めないMD双胎で，一児のNRFSにてterminationを行い，twin anemia-polycythemia sequenceと診断した症例を経験したので報告する．【症例】26歳，初産．前医での妊婦健診中，妊娠25週より二児の体重差を認めたが羊水量に差を認めないため経過観察されていた．妊娠32週5日の妊婦健診時に第1子に胎児胸水を認め，NST上で軽度変動一過性徐脈，遅発一過性徐脈が出現したため当院にヘリ搬送となった．来院時の腹部超音波検査では第1子1482g，第2子1741gと15％の体重差を認めたが，羊水ポケットは第1子22mm，第2子30mmであった．胎児心拍モニタリングで第1子のvariabilityの低下，accelerationの消失及び遅発一過性徐脈を認めたため，NRFSの診断にて緊急帝王切開術を施行した．第1子は1465g，Apgar score 4/7，全身蒼白でHb 4.0mg/dL，Ht 13.6％，第2子は1842g，Apgar score 8/8，全身紅潮しておりHb 23.6mg/dL，Ht 71.1％であり，両児ともNICU管理となった．胎盤には肉眼的な吻合血管が認められなかったが，虚血と鬱血を呈しており，また血管径の小さいA-V吻合が認められたためtwin anemia-polycythemia sequenceと診断した．【結語】MD双胎では羊水量に差を認めない場合でもtwin anemia-polycythemia sequenceの可能性を考慮し，MCA-PSVなどの血流評価，胎児心拍モニタリングを行い，厳重に管理を行う必要があると考えられる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 256-256, 2008 |
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