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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
双胎,低置胎盤 先進児が頭位の双胎における分娩方法の時代的変化についての検討
大竹 紀子, 神田 義明, 今井 雄一, 吉田 佐知子, 山口 肇, 毛利 順
藤沢市民病院産婦人科
【目的】当院では膜性を問わず先進児が頭位の双胎の場合,後続児の胎位と関係なく経腟分娩を原則としているが,医学的適応はないものの本人希望により帝王切開術(以下希望帝切)を行うこともある.双胎妊娠において時代の変化に伴う分娩方法の変化について検討した.【方法】1998年4月から2008年3月までの10年間先進児が頭位の双胎における分娩様式の経時的変化を後方視的に検討を行った.【結果】過去10年間の総分娩数は4419件,その内双胎は220件(4.64%)であった.胎位では先進児が頭位では162件(73.6%)で,そのうち頭位-頭位が106件(48.2%),頭位-非頭位が56件(25.5%)であり,先進児非頭位が45件(20.5%),胎位不明が13件(5.9%)であった.先進児が頭位の分娩方法として経腟分娩(分娩進行中の医学的適応による帝切を含む)103件(63.6%),帝王切開術59件(36.4%)であり,そのうち医学的適応は45件,希望帝切が14件だった.希望帝切の割合を年次別に見ると1998年度から2002年度までは0%であったが,2003年度5%を皮切りに,2004年度18.8%,2005年度15%,2006年度27.8%,2007年度33.3%と上昇していた.【結論】過去10年間の双胎の分娩において希望帝切を選択する割合が増えている.晩婚化や少子化,不妊治療に伴う双胎の増加など時代や社会背景の変化に伴い分娩に対する意識が変化してきている.希望帝切の需要が増えてきているため,今後は双胎の分娩方法の決定においてより十分なインフォームドコンセントが必要であると示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
257-257, 2008
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