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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
切迫流早産,RPLS 切迫流早産の予防―当院におけるBV治療事始め
西尾 昭徳, 岡野 滋行, 川口 武宏, 松尾 邦彦, 芳野 春生, 白幡 八重子, 白幡 光
卷石堂病院産婦人科
細菌性膣症(Bacterial Vaginosis:BV)と切迫流早産との関係は古くから取り沙汰されてはいた.細菌性膣症が存在する妊婦では,これが存在しない妊婦よりも切迫流早産率が2倍高くなるという報告もある.妊娠時に細菌性膣症が存在すると,膣内の病原細菌が頚管粘液栓の防御ラインを越え,子宮内に上行感染し,絨毛膜羊膜炎を引き起こし,結果的には流早産や破水につながることがある.当院では九割以上が産科という患者構成であり,毎週のように切迫だ,破水だ,母体搬送だ,新生児搬送だと受け入れ先の少ない周産期事情もあって担当する医師の頭を悩ませ続けている.もしこれを未然に防止できるのならばなんと幸せなことか.そこで妊娠13週〜20週までの比較的早い段階で細菌性膣症を発見し,治療すれば流早産や破水などの悲劇を未然に防止することができるのではないかと単純に考え,一応の診断基準と治療方針を踏まえ実施に踏み切った.なお「産婦人科診療ガイドライン2008・産科編」では妊娠中の細菌性膣症の取扱いについては,スクリーニングに関しては有用性を認めずで(C),細菌性膣症の妊婦の治療を行うのは(B),治療の早産予防効果は認めていないが治療を考慮してもよいで(C)となっている.短い期間で成果のほどは如何なものか,と思われるかも知れないが頑張ってやっているという事をまず報告したい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
259-259, 2008
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