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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
切迫流早産,RPLS
単胎早産症例おける胎盤炎症所見および新生児予後に関する後方視的検討


宮村 浩徳1), 宮越 敬2), 落合 大吾1), 池内 武士1), 森定 徹1), 西村 修1), 矢久保 和美1), 福井谷 達郎1)
さいたま市立病院産婦人科1), 慶應義塾大学病院産婦人科2)


 【目的】当施設における単胎早産症例において胎盤炎症所見の有無ならびにその新生児予後との関連について後方視的に検討した.
【方法】(1)2007年の妊娠34週未満の単胎産症例に関して,早産理由ならびに自然早産における胎盤炎症所見の有無を検討した.(2)2005-2007年に早産分娩となった妊娠26週未満の単胎17例を対象とし胎盤炎症所見の有無と新生児予後との関連につき検討した.なお,Blanc分類2度以上を胎盤炎症陽性,臍帯静脈への白血球浸潤を認めた場合を臍帯炎陽性とした.新生児予後は生存率を用いて評価した.
【結果】(1)単胎総分娩773例のうち妊娠34週未満の早産は47例であった.早産理由として,陣痛発来(前前期破水を含む)は31例,PIH16例であった.特に自然早産において妊娠22-26週,27-29週,30-33週の胎盤炎症所見陽性率は,それぞれ80,67,45%であった.(2)妊娠26週未満の早産17例においては,胎盤炎症陰性群に比して陽性群の児の生存率が有意に高かった.また胎盤炎症陽性群において,臍帯炎の有無は児の予後に影響を与えていなかった.
【結論】既報のごとく自然早産では分娩週数が早いほど胎盤炎症を認める割合が高かった.また,一般に児の予後が不良とされている分娩週数22-26週の早産例では,胎盤炎症陽性群の児の方が生存率は高かった.脳性麻痺や慢性肺疾患発症と胎盤炎症との関連についても指摘されているため,現在児の長期予後につき調査中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 259-259, 2008


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