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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
切迫流早産,RPLS 発症経過の異なるRPLSの2症例
真山 麗子, 橋本 玲子, 手塚 彩子, 谷垣 伸治, 酒井 啓治, 橋口 和生, 岩下 光利
杏林大学産婦人科
RPLS(reversible posterior leukoencephalopathy syndorome)とは,頭痛,けいれん,嘔吐,黒内障,神経障害などの症状を呈し,脳CT MRI検査にて後頭葉に梗塞のない皮質下白質,次いで灰白質に可逆性の浮腫を認める.その多くは妊婦にみられやすく,特に子癇に関連する.今回我々は発症経過の異なるRPLSの2症例を経験したので報告する.【症例1】19歳0経妊0経産他院で妊娠39週3日陣痛発来のため入院し,子癇発作出現し母体搬送となった.搬送後も子癇発作再発したため,緊急帝王切開術を施行した.頭部MRIにて左被核,後頭葉,頭頂葉,前頭頭頂葉に梗塞と浮腫があり,拡散強調画像で高信号を示す中小のT2延長域を認めRPLSと診断した.また頭部MRAでは両側MCAは狭細化と不整像を呈し,脳血管攣宿が疑われた.【症例2】35歳0経妊0経産一絨毛膜性双胎妊娠で,妊娠36週3日選択的帝王切開術施行した.術中に収縮期血圧180mmHgまで上昇し,帰室後に降圧剤の持続点滴開始したものの,血圧安定したため第一病日で中止した.第二病日,頭痛を訴えトイレで座り込んでいるところを発見された.頭部MRIにて両側前頭葉,頭頂葉,後頂葉の皮質から皮質下に拡散強調画像で高信号を示す中小のT2延長域がありRPLSと診断した.また両側前頭葉の脳溝の一部にくも膜下出血を認めた.今回我々は,子癇発作が伴ったRPLSの症例と,子癇発作を伴わない症例を経験したので,文献的考察を含め報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
261-261, 2008
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