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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
切迫流早産,RPLS
帝王切開後に発症したRPLSの2例


葭葉 貴弘1), 白田 泉2), 田中 聡子1), 加藤 直子1), 北岡 芳久1), 白石 悟1)
大田原赤十字病院産婦人科1), 日本赤十字社医療センター産婦人科2)


 近年頭痛,視力障害,痙攣を主症状とし,MRIで後頭葉に特徴的な浮腫像を認める病態が子癇の近縁疾患として注目され,Reversible posterior leukoencephalopathy syndrome(RPLS)と呼ばれている2例を経験したので報告する.【症例1】31歳初産婦,17週0日に近医より動悸,白衣高血圧(180/110程度)で紹介.37週頭痛,高血圧のため入院.翌日PIHの診断で緊急帝切施行.術後1日目に視野障害を訴え,10分後に意識消失,強直間代性痙攣を発症した.Diazepam10mg静注にて痙攣は消失,MgSO4,nitroglycerinの投与を行い,MRIにて頭頂葉〜後頭葉にFLAIR異常高信号域を認めた.翌朝には視野異常は改善し,11日目のMRIでは異常を認めなかった.【症例2】35歳初産婦,妊娠中PIHを示唆する所見は無し.妊娠40週5日に分娩停止にて帝王切開施行.術後4日目に頭痛,視力の低下を認めたがそのまま就寝.5日目の夕方より再び頭痛,視力の低下あり.血圧も180/120に上昇し,10分後に意識消失し強直間代性の痙攣を認めた.Diazepam20mg筋注,MgSO4持続静注にて意識は回復し,当院に搬送になった.MRIでは両側後大脳動脈領域,小脳半球,両側上前頭領域にFLAIR高信号が認められた.入院後,視野異常は改善し,9日目のMRIでは著明な改善を認めた.このように分娩前後に生じる視野異常,精神症状として脳血管障害があるが,その鑑別にはMRI検査は必須である.特に脳実質の浮腫を検出できるFLAIR画像は当疾患の診断に極めて有用であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 261-261, 2008


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