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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
合併症妊娠5
産褥期にAGEPを発症した一例


三留 ゆりさ, 市川 剛, 久野 宗一郎, 宮川 康司, 松浦 眞彦, 山本 樹生
日本大学産婦人科


 AGEP(acute generalized exanthematous pustulosis)急性汎発性発疹性膿疱症は薬剤摂取後出現する高熱,小膿疱を有し,浮腫性紅斑やびまん性の潮紅を特徴とする疾患であり,好中球優位な白血球増加,角層下あるいは表皮内膿瘍などが認められる.抗菌薬やCa拮抗薬などの薬剤に起因して発症するため,薬疹の一つとして捉えられている.今回われわれは,投与歴のある抗菌薬で分娩後に使用し,AGEPを発症した症例を経験したので報告する.症例は33歳の経産婦,帝王切開術後4日目より炎症反応高値となり,抗生剤を変更するも術後6日目には全身発疹と39度以上の発熱が続き,産褥熱の診断で当科に産褥搬送となった.皮膚科と兼科し全身状態や発疹の状態よりAGEPを疑い,皮膚科としては薬剤性発疹を考えるので薬剤中止をしたかったが子宮腔内培養にてMRSAが検出されたためMRSA感染症を疑い,バンコマイシンを使用.術後13日目には37度以下になり症状改善した.AEGPは臨床的に短期間のうちに発熱と全身症状を伴って紅斑と膿疱が生じる.産褥期の発熱に対しては感染によるものをまず疑うのでAGEPという診断がつかないと抗菌薬を中止という選択をするのは難しい.今後,血液検査や全身の皮疹のわりに全身状態がよい場合,AGEPも考慮すべきと考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 264-264, 2008


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