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<< 学会誌へ戻る （緒言）筋腫合併妊娠は晩婚化や高齢出産の中増加傾向にある．特に巨大筋腫合併妊娠の産褥期では，内部の血液供給が急減することにより筋腫核が変性・壊死に陥ることがある．今回我々は，産褥期において急速に変性壊死が進行し同部位に二次的感染を来し，治療に苦慮した巨大筋腫合併妊娠の1例を経験したので報告する．（症例）症例は36歳，0経妊0経産．妊娠6週に巨大筋腫合併妊娠管理目的にて当院へ紹介初診．子宮下部後方に小児頭大の筋層内筋腫を認めた．筋腫合併妊娠に関するリスクを十分説明し，同意を得たため妊娠継続．妊娠20週頃より変性痛，腹部の著明な膨満感，食事摂取困難など出現し妊娠25週1日に巨大筋腫管理目的にて入院．入院中は，変性痛や熱発，CRPの上下を繰り返した．妊娠36週2日，児の発育停止・著しい腹部膨満感の解除を目的に全麻下での帝王切開にて児を娩出．児は1883g，男児，Ap2/3であった．産褥4日目頃spike fever，CRP上昇が出現し，子宮腔内洗浄・全身抗生剤投与などを行うも軽快せず，産褥10日目開腹式子宮筋腫核出術を施行．筋腫は高度に液状変性していた．術後，さらに筋腫核出部の感染を繰り返したが，保存的に加療し筋腫核出後36日目に退院となった．（結語）子宮筋腫合併妊娠では，妊娠・産褥期に変性を起こしやすく，妊婦が強い痛みに苛まれるケースに遭遇する．一般的には保存的に抗炎症療法・安静にて軽快することが大部分である．しかし今回の我々のように，巨大筋腫合併妊娠の産褥期に，筋腫の高度変性により重篤化した症例が散見される．巨大子宮筋腫合併妊娠を取り扱う際，妊娠時のみでなく産後も十分に注意を払う事が重要であると思われた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 266-266, 2008 |
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