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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
周産期その他
羊水染色体検査の適応についての検討


苅部 瑞穂, 長谷川 潤一, 関沢 明彦, 松岡 隆, 市塚 清健, 大槻 克文, 下平 和久, 長塚 正晃, 岡井 崇
昭和大学病院総合周産期母子医療センター産婦人科


 目的:近年,母体血清マーカー検査,Nuchal Translucency(NT)測定,超音波検査などにより妊娠中の胎児染色体異常のリスク評価の精度が向上したことに伴い,羊水検査を受ける背景が変化していると思われる.そこで過去に行った羊水染色体検査の適応の推移と検査結果について検討を行った.方法:当院において1999年から2007年の9年間に羊水染色体検査を行った429例中,調査可能であった401例について後方視的にその適応(妊婦が羊水検査を希望する理由)と結果を検討した.羊水検査の適応は,1)母体血清マーカー検査,2)NT肥厚,3)妊娠21週までの超音波所見,4)22週以降の超音波所見,5)既往歴,6)家族歴,7)母体年齢,8)希望に分類した.結果:羊水穿刺の適応は,1)〜8)のそれぞれ79例(18.4%),55(12.8),42(9.8),37(8.6),12(2.8),20(4.7),130(30.3),27(6.3)であり,NT肥厚は年度と共に漸増傾向にあった.染色体異常は401例中61例(14.2%)で診断され,1)〜8)の適応のそれぞれ4例(5.0%),14(25.4),6(14.2),17(45.9),6(50),2(10),7(5.3),0(0)であった.考察:羊水検査の約40%は,母体血清マーカー,NT肥厚,妊娠21週までの超音波検査を契機に行われた.また30%は母体年齢で検査されていた.NT肥厚,妊娠後期の超音波所見で行われた羊水穿刺で染色体異常の検出率が高かった.また,2001年以降20週頃に胎児超音波検査を全例に行うようになり,それを契機に羊水検査が行われる頻度が増加し,逆に,妊娠後期に発見される染色体異常例が減少傾向を示した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 267-267, 2008


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