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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
周産期その他 当科における自己血輸血施行例の検討
岡山 潤, 楯 健司, 飯塚 美徳, 松本 玲子
千葉市立海浜病院産婦人科
産婦人科においては,特に産科領域で大量出血になる症例があり母体死亡の一因となる.同種血輸血のリスクを回避・減少させる方法に自己血輸血が用いられているが,妊婦における安全な貯血ガイドラインは国内外になく,各々の施設で経験的に施行されているのが現状である.今回,2004年4月〜2008年3月までの間に自己血採血を施行した症例50例(産科35,婦人科15)について施行方法と問題点について検討した.産科35症例は帝王切開31例(前置胎盤26例,低置胎盤2例,血液型不適合妊娠2例,子宮筋腫合併妊娠1例),経膣分娩4例(低置胎盤2例,血液型不適合妊娠2例)である.婦人科15例は子宮筋腫核出術14例,子宮筋腫・両側卵巣内膜症性のう胞1例である.【結果】貯血症例は増加しており最近2年間で37症例(74%).1症例の総貯血量は200ml〜1600ml(前置胎盤においては平均768ml貯血).返血率は産科・婦人科ともに40%.産科における返血症例の平均出血量は1576ml(前置胎盤症例に限定すると1847ml).貯血副作用としてVVR(血管迷走神経反射)が1例と凝固が1例で細菌感染の症例はなし.【問題点】1,貯血プロトコルの確立,2,返血率の評価が考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
268-268, 2008
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