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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
周産期その他
妊婦のシートベルト,チャイルドシートに関する実態


村越 友紀, 渡辺 博, 岡崎 隆行, 多田 和美, 西川 正能, 大島 教子, 田所 望, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科


 【目的】2000年にチャイルドシート,2008年に後部座席のシートベルトも義務化されたが,いまだわが国では妊婦のシートベルト着用は免除されている.妊婦のシートベルト,チャイルドシートに対する意識を調査し,実態を把握することを目的とする.【方法】2007年9月に当院で妊婦健診施行した212名に対し,シートベルトの着用状況やチャイルドシートに対する知識などについて無記名式アンケート調査を実施した.【結果】シートベルト着用者170名(80.6%)であり,週数が進むにつれ着用率は低下した.非着用理由は圧迫感35名,法的義務がない3名,着用で危険度が増す2名,近距離1名,面倒1名.妊婦独特のシートベルト装着法既知52名(47.6%)であるも,装着法が出来ていると自己判断しているものはわずか18名(11.8%)であった.交通手段は自家用車196名(92.5%)で,妊婦自身の運転は142名(72.4%)である.チャイルドシート未着用が減点対象であることを既知157/198名(79.2%),法的適応年齢既知111/167名(66.5%),チャイルドシートの取り付けが不安である78/200名(39.0%),出来そうではある98/200名(49.0%)であった.また,1994年4月から3ヶ月間当院母親学級受講者対象に実施したアンケート調査ではシートベルト着用36/100名(32.7%)で非着用理由は法的義務がない43名,圧迫感37名,着用で危険度が増す30名であった.【結語】妊婦の交通事故による常位胎盤早期剥離や胎盤破裂などで母児ともに重篤な合併症が生じることがある.シートベルト,チャイルドシートともに適切な装着でなければむしろ非装着よりも危険であるため,母親学級などでの妊婦,褥婦に対しての知識普及が望まれる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 269-269, 2008


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