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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮頸癌
子宮頸部絨毛腺管状乳頭腺癌Villoglandular papillary adenocarcinoma of the cervixの一例


矢木 さやか, 平川 隆史, 山下 宗一, 村田 知美, 青木 宏, 中村 和人, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 子宮頸部絨毛腺管状乳頭腺癌(Villograndular papillary adenocarcinoma of the cervix;以下VPA)は,肉眼的にしばしば乳頭状の隆起性病変を示し,組織学的によく発達した絨毛様の乳頭状構造および腺管状構造を特徴とする高分化型腺癌であり,若年者の発生が多く,一般に予後は良好とされている.今回我々は術前の組織診によりVPAを疑い,術後確定診断に至った症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は30歳未経妊,近医での不妊治療中,子宮頸部にポリープを指摘され紹介受診となった.子宮頸部から突出したポリープ状病変より生検を行ったところ,異型の弱い腫瘍細胞が乳頭状構造や癒合腺管を形成しながら増殖している像が認められ,粘液性腺癌のなかでもVPAが疑われた.MRIでは子宮頸部から腟内に突出する造影効果のあるカリフラワー状の腫瘤を認めた.以上よりVPA Ib2期と診断し,広汎子宮全摘・両側附属器切除・骨盤リンパ節郭清を行った.病理所見上,術前のねらい組織診と同じく乳頭状構造や腺管形成を呈していたが,間質浸潤や脈管侵襲は認められなかった.VPA pT1b2N0M0と診断され術後は経過観察としたが,6ヵ月経過した現在,再発徴候は認められていない.VPAは若年者に多いため,妊孕性の温存を希望する症例もあり,その選択には慎重を要する.本症例は術前よりIb2期以上と考えられたため通常型の腺癌に準じた手術療法を行ったが,間質浸潤や脈管侵襲を認めなかったため経過観察としている.他の組織型を伴わず,脈管侵襲が認められない症例は予後良好とされているが,治療方針が明確にされていないため,今後さらなる症例の集積と検討が成されるべきだと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 276-276, 2008


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