|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))
【一般演題】
子宮頸癌 広汎子宮全摘時,総腸骨リンパ節転移陰性であったが傍大動脈リンパ節に再発した子宮頸癌の2症例
杉崎 聰一, 本池 良行, 杉浦 聡, 清水 泰樹, 松本 泰弘, 宮崎 泰人, 末永 昭彦, 竹下 茂樹, 梁 栄治, 喜多 恒和, 綾部 琢哉, 沖永 荘一
帝京大学医学部付属病院産婦人科
子宮頸癌の広汎子宮全摘術(RH)時に総腸骨リンパ節転移が確認できなかったが,同時化学放射線療法(CCRT)後に傍大動脈リンパ節に再発を認めた2症例の臨床経過につき報告する.症例1:34歳,扁平上皮癌3a期に術前化学療法後,RH施行.郭清した総腸骨リンパ節の迅速病理診断では転移は確認できず.病理結果はglassy cell carcinoma,ypT1b1N1M0.左大腿上節と右閉鎖節に転移を認めた.術後CCRT施行するも2年後にCEA上昇,CTで傍大動脈リンパ節の腫大,PETで同部位への集積を認めたため,CCRTを追加した.症例2:39歳,扁平上皮癌1b1期にRH施行.術中,骨盤内リンパ節腫大が散見されるも郭清した総腸骨リンパ節郭清の迅速病理診断では転移を確認できず.病理はpT1b1N1M0.左外腸骨節と右閉鎖節に転移を認めた.術後にCCRT施行するも1年後にSCCの上昇,CTで傍大動脈リンパ節の腫大とPETで同部位および左総腸骨動脈領域への集積を認めたため,CCRTを追加した.考察:子宮頸癌での傍大動脈リンパ節転移は,通常,骨盤内リンパ節転移を伴い,傍大動脈リンパ節への単独転移は極めて稀である.今回の2症例では骨盤内リンパ節に転移を認めたが,総腸骨動脈リンパ節に転移は認められなかった.しかし,いずれも傍大動脈リンパ節に再発したことから,総腸骨リンパ節に転移が無くても,他の骨盤内リンパ節転移を認めた場合,特に若年者では傍大動脈リンパ節郭清を施行することや,術後のCCRTに傍大動脈リンパ節への照射を加えることの再検討も必要と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3)
276-276, 2008
|